広い縁側やモダンな店内で、思い思いの時間を過ごせる「SoN COFFEE」
建物の左手にあるのが、コーヒースタンドの「SoN COFFEE」です。こちらでは、知多市にある「OISEAU COFFEE(オワゾーコーヒー)」が焙煎を手がけるオリジナルブレンドのスペシャルティコーヒーや、地元のフルーツを使った自家製ジュースなどと共にスイーツが味わえます。
OKDのクラフトビールをリキュールの代わりに使った濃厚な「ガトーショコラ」や、常滑牛乳を使用した「ミルクプリン」など、スイーツもすべて自家製!
「SoN COFFEE」では、施設内にあるベーカリー「かもぱん」で購入したパンのイートインもできます。
「SoN COFFEE」には、懐かしい広い縁側があるのも特徴。ここで岡田の風景を眺めながら、コーヒーやビールを楽しむ人も多いそうです。
SoN COFFEE・スタッフのお二人「SoNにはじめて来られた方には、どんなお店があるのかなど、施設について丁寧にお伝えするよう心がけています。また、お客さまは、友達との会話を楽しんだり、ゆっくり読書をしたり、作業をされたりと、過ごし方は様々。それぞれのお客さまに寄り添うような、接客ができればと思っています」。
長時間発酵で甘みやうま味を引き出したパンがそろう「かもぱん」
もう1店舗、正面入り口の右手にある小さな扉をくぐった先にあるのが、「かもぱん」です。
「かもぱん」には、長時間発酵で甘みやうま味を引き出した「バゲット」や、高加水により歯切れと口どけの良さを実現した、もちふわ感がたまらない「食パン」など、ハード系のパンを中心に20種類以上がそろいます。
▼詳しくは、こちらの「かもぱん」の取材記事をチェック!
Check!
味わい深いハード系パンがそろう「かもぱん」が、複合施設「SoN」に開店【愛知県・知多市】
知多市・岡田にある古民家をリノベーションして、2022年6月にオープンした小さな複合施設「SoN(ソン)」。施設内にあるレストランやコーヒースタンドなどと共に開業して以来、多くの人で賑わっているのが「かもぱん」です。 店主は、もともとパンを食べるのが大好きで、脱サラしてパン屋で修業し、地元の岡田に念願だった自分の店を開いた加茂雅彦さん。 そんな「かもぱん」では、どんなパンが味わえるのか、人気のパンや製法のこだわりなどについて、加茂さんにお話をうかがいました! 100軒以上のパン屋を食べ歩いた店主が、修業を経てオープン 名古屋から車で約40分。黒板壁の土蔵や民家が立ち並ぶ、知多市・岡田という小さなまちに「かもぱん」はあります。 複合施設「SoN」の入り口を進むと、右手にかわいいアーチ状の扉があり、そこをくぐると20種類以上の焼きたてパンがずらりと並んだカウンターが目の前に!どのパンを買って帰ろうかと、思わずワクワクしてきます。 店主の加茂さんは、パンの道に進む前からパンを食べることが大好きで、グルメサイトで愛知県TOP100に掲載されているお店は、ほぼすべて食べ歩いたのだとか! その後、会社を辞め、名古屋市や半田市、東浦町などにあるパン屋で腕を磨き、「SoN」に「かもぱん」をオープンしました。 次のページ… 理想の食感・甘み・香りを叶える3つのポイント 理想の食感・甘み・香りを叶える3つのポイント 加茂さんが理想のパンとして思い描くのは、「しっとりもちもちとした食感で、小麦の甘みや香りがふんだんに感じられるパン」です。 そのために工夫しているポイントが、大きく3つあります。一つは、小麦に混ぜる水分量を多くする、いわゆる「高加水」です。 人気の「角食パン」は、生地に小麦粉を熱湯でこねた湯種を入れることで高加水の生地になり、もちもちふわふわな食感に。トーストせずに、そのまま食べてもおいしい食パンに仕上がっています。 「くるみ&レーズン」(1/2・324円) 「くるみ&レーズン」も湯種を使って加水率100%にすることで、しっとりもちもちになり、日数が経っても硬くなりにくいのが特徴です。 二つ目のポイントは「長時間発酵」です。「かもぱん」では、食パン以外は前日に生地を仕込み、15時間ほどかけてゆっくり発酵させることで、生地の甘みとうま味をできる限り引き出しています。おいしさのために、手間ひまを惜しまないよう心がけるのが、加茂さんのこだわりです。 明太子バターをふんだんにトッピングした「明太フランス」(334円)も人気商品の一つ 最後のポイントは「4種類の小麦をブレンド」していること。パン作りで、加茂さんが大切だと考える「食感・甘み・香り」のすべてを、1種類の小麦で実現するのは難しい。 そこで、4種類をブレンドすることで、食感・甘み・香りがバランスよく満たされた生地を、試行錯誤しながら作り上げています。 あんこやクリームなども、すべて自家製 自家製のあんことバターを挟んだ「あんバター」(280円) もちもちとしたハード系の生地を使った「あんバター」や、生地に桑名もち小麦を使った「クリームパン」も人気商品の一つ。あんこには北海道産の小豆を、カスタードには常滑牛乳をふんだんに使用し、すべて手作りしています。 購入したパンは、コーヒースタンドの「SoN COFFEE」やウッドテラスで、スペシャルティコーヒーや地元のフルーツを使ったドリンクと共に味わうことができます。 「かもぱん」で購入した「ブルーベリーデニッシュ」(334円)と「アールグレイ&ホワイトチョコ」(237円)。「SoN COFFEE」でイートインもできる 店主・加茂さん「2023年6月でオープンから1年が経ちました。地元・岡田に暮らす皆さんをはじめ、遠方の方にもリピートしていただけるように、日々試作を重ねて、もっともっとパンの種類を増やしていきたいと思っています」 店主・加茂さんにインタビュー ――脱サラして、パンの道に進んだ理由とは? もともとものづくりが好きで、プリンターの設計の仕事をしていたのですが、30代後半になり、「もっと自分の好きなものを作りたい」と思うように。そのとき頭に浮かんだのが、ずっと好きで食べ歩きを楽しんでいた“パン”だったんです。 食べ歩きをしながら、働くお店も自分で探して。ハード系のパンを焼く小さなお店から、スーパーに入っている大型店まで、数軒のお店で経験を積んで独立しました。 ――「SoN」での開業を決めたポイントとは? 実は、「SoN」のオーナーである新美くんとは、保育園からの同級生なんです。パン屋での修業を終えて、地元周辺で出店場所を探していたときに、新美くんが「この物件を入手できそうだから、一緒にやらないか?」と声をかけてくれたんです。 「自分たちが生まれ育った岡田のまちを、もう一度多くの人が集まる場所にしたい」という思いにも強く共感し、ここでの開業を決意しました。 建物の前にあるウッドテラスでは、「かもぱん」のパンやビールを楽しんだり、読書や仕事をしたりすることもできる ――これから力を入れていきたいことは? もっちりとした食感で、小麦の甘みや香りがふんだんに感じられる理想のパンを目指して、日々改良を加えていきたいです。今は、歯切れが良く、口溶けも良いパンにするためには、どうしたらいいかと試行錯誤しているところです。 具材についても、地元の生産者の方との繋がりを広げていきながら、なるべくオーガニックのものを使っていきたいと考えています。 WRITER Sugiyama ハード系のパンというと、ちょっと硬いイメージがありますが、「かもぱん」のハード系パンは、中がもっちりふわふわ!食べやすく、生地の甘みも感じられてとてもおいしかったです。店主の加茂さんは、パンのおいしさをより高めるために、常に試作や改良を重ねていて、パンのことが本当に好きなんだなと伝わって来ました。クラフトビールが好きで、地元・岡田で「OKD KOMINKA BREWING」や「SoN」を立ち上げた醸造家の新美さんと、同級生の加茂さんが、岡田でどんな新たな試みを展開していくのか、これからも目が離せません! かもぱん 問い合わせ 0562-77-0190 場所 愛知県知多市岡田東島9 営業時間 10:00~17:00 ※なくなり次第終了 定休日 月・火曜 駐車場 あり(共同)※岡田街並み観光駐車場 支払方法 カード不可・電子マネー可(PayPayのみ) Instagram @ kamo_pan アクセス 西知多産業道路「長浦IC」より車で約10分 撮影/Ubud伊藤公一 ※掲載内容は2023年6月時点の情報です ※価格は全て税込み表記です
オーナー・新美さんにインタビュー
――新美さんが岡田で、ブリュワリーや複合施設を始めた理由とは?
岡田のまちは、かつて知多木綿で繁栄し、通りには劇場や商店、木綿工場などが立ち並んでいたそうです。しかし、僕たちの世代は、その賑わっていた岡田を知りません。
だからこそ、僕たちが知多木綿だけではない、クラフトビールやコーヒー、パンなど新たな魅力を作り上げることで、「岡田のまちをもう一度、世界中から多くの人が集まる場所にしたい!」と思ったことが、ブリュワリーや「SoN」を始めた理由です。
私の実家は、岡田であられやおかき、せんべいなどの製造販売を手がけています。私もそこで働いていましたが、34歳のときに一念発起し、徳島や鳥取でクラフトビール作りを学びました。その後、2019年にブリュワリー、2022年に「SoN」をオープンし、ようやく大きな目標に向かって一歩を踏み出したところです。
――「SoN」という名に込めた思いとは?
店名には、3つの思いを込めています。
一つは、「SoN」=「村」という意味で、もう一度この岡田のまちを、いろいろな商店が集う、かつての賑やかな村のような場所にしていきたいと思っています。
二つ目は、「Symbol of Neighborhood」=「近隣地域のシンボルになる場所」という意味です。「SoN」に行けば、誰かとつながり様々な情報が得られる。そんな地域のシンボルになるような場所を目指しています。
最後は、「息子」という意味の「son」です。自分たちが作り上げていくものを、地域に根付かせ、次の世代に繋げていきたいという思いを込めて、「息子」という意味も重ね合わせました。
――これから力を入れていきたいことを教えてください。
新しいお店が2、3店舗できただけで、まちは大きくは変わりませんが、それでも地元の人間である僕たちが、空き家を活用するモデルケースを作れたことは大きな前進だと思っています。
これからは、岡田で新たなことにチャレンジしたいと外から来てくれる方たちが、物件をスムーズに見つけられるよう、地元の皆さんの理解を少しずつ広げていくような取り組みに、力を入れたいと考えています。
取材に訪れたのは平日でしたが、オープン時間が近付くと次々とお客さんが訪れ、あっという間にダイニングは2階席まで埋まっていました。若い人たちだけでなく、地元に暮らす年配の方なども、ゆったり過ごされているのが印象的でした。その秘密は、この岡田の地域や建物の歴史を受け継ぎながら、新しいものを融合させた居心地の良い空間と、スタッフの皆さんの温かい接客にあるのだと感じました。中庭などには、まだ活用されていない建物もあり、これからどう発展していくのか、とても楽しみです!
SoN
- 問い合わせ
- 0562-77-4901
- 場所
- 愛知県知多市岡田東島9
- 営業時間
- 【SoN DINING】
11:00~17:00(ランチ・アラカルトLOは14:30、ドリンクLO16:00)
※金・土曜は〜21:00(ランチLOは14:30、ディナーLOは20:00、ドリンクLOは20:30)
※日曜は~17:00(ランチLOは14:30、アラカルトLOは15:30、ドリンクLOは16:00)
【SoN COFFEE】
9:30~17:00(LOは16:00)
【かもぱん】
10:00~17:00※なくなり次第終了
- 定休日
- 月・火曜
- 駐車場
- あり(共同)※岡田街並み観光駐車場
- 支払方法
- カード不可・電子マネー可(PayPayのみ)
- 公式サイト
- https://son-okada.com/
- @ son___okada
- アクセス
- 西知多産業道路「長浦IC」より車で約10分
天然酵母パンや旬の野菜たっぷりのランチが堪能できる「生きたパンと畑のごはん nanairo」が開店【愛知・美浜町】
知多半島の美浜町で長年愛されてきた「畑カフェ Rainbow Art」が、隣の武豊町に移転したのを機に建物を受け継ぎ、2023年3月21日(火)に「生きたパンと畑のごはん nanairo(なないろ)」がオープン! お店を営むのは、1年前に静岡から二人の娘さんと一緒に移住した名村さん夫妻。前店主とは10年来の付き合いで、「Rainbow Art」の居心地の良い雰囲気が大好きだったという名村さん夫妻は、「みんなが集える癒しの場所」というお店のコンセプトや、地元の旬の野菜をワンプレートでたっぷりと提供するスタイルを大切に継承。そこに「自家製天然酵母パンプレート」や「お結びプレート」など、二人らしいメニューもプラスしました。 今回、ランチではどんな料理が味わえるのかをはじめ、パン作りで大切にしていることや、これからチャレンジしてみたいことなどについてインタビューしてきました。 地元の無農薬野菜や調味料を使った、身体に優しい“畑のごはん” 名古屋から車で1時間ほど、海岸まで歩いて数分で行けるのどかなロケーションに、「生きたパンと畑のごはん nanairo」はあります。薪窯を右手に眺めながら店内に入ると、田舎のおばあちゃん家に帰ってきたような、懐かしい雰囲気の空間が広がります。 ランチタイムは、日によって味わえるメニューが替わります。平日は「ごはんの日」として、「畑のごはんプレート」と「お結びプレート」をラインナップ。土・日曜は、二つのメニューに加えて、「Rainbow Art」の頃から受け継ぐ「カレープレート」を用意しています。 「自家製天然酵母パンプレート」が味わえる「パンの日」は月に2日ほど。6月からは「石窯ピザ」が味わえる日も新たに設けられています。(詳しくは、公式インスタグラムの営業カレンダーをチェック!) 「自家製天然酵母パンプレート」(1800円) この日は、人気の「自家製天然酵母パンプレート」と「お結びプレート」を味わいました。「自家製天然酵母パンプレート」には、オーガニック食パン、胡桃レーズン、雑穀パン、コーヒーチョコの中から、おまかせでパンが数種類盛り付けられています。 「お結びプレート」(1600円) 「お結びプレート」には、土鍋で炊いた黒米のおむすびと、季節の炊き込みむすび(この日はグリーンピース)が盛られています。 どちらのプレートにも、美浜産無農薬青パパイヤの天ぷらや、甘夏キャロットラペ、南瓜とトマトのクリームチーズサラダなど、6〜7種類の副菜が彩り豊かに盛られ、食べ応えも十分! お子さんと一緒にゆったり過ごせる座卓席のある部屋も。「お子様プレート」も用意されている。 焼き上がったばかりのキッシュ 名村さん夫妻「食べることは、私たちの命に直結しています。だからこそ、地元で無農薬や低農薬で育てられた旬の野菜をたっぷり使った、身体にやさしいご飯をお届けしたいと思っています」 次のページ… 生地が一番いい状態で焼き上げる“生きたパン” 生地が一番いい状態で焼き上げる“生きたパン” 天然酵母パンを焼くのは、ご主人の雄一さんです。有機栽培の季節のフルーツやお米から酵母を起こし、粉はオーガニック認証を受けたものや国産の粉をオリジナルでブレンドして使用。発酵器などの機械は一切使わず、毎日手ごねでパンを仕込んでいます。 雄一さん「機械で強制的にコントロールするのではなく、酵母菌が自ら活動し、生地が一番いい状態になったタイミングで焼き上げたいと思っています。もちろん、その日の気温などによって発酵の状態が変わりますし、石窯の火の入れ具合によっても焼き上がりが変化するので大変ですが、実際に生地に触れて状態を確かめながら、素材の持ち味を引き出すよう心がけています」 天然酵母パンは、受注販売も行なっていますが、受付日に1ヶ月分の注文がすぐに埋まってしまうほど、人気を博しています。この他、「日替わりおやつ」や自家製の酵素&フルーツシロップでつくるジュース、オーガニックコーヒーやオーガニック和紅茶などのドリンクも用意されています。 自家製酵素シロップのドリンク「苺×りんご酵素」と、「キウイ×ぶどう」(各600円※ハーブ入り) 「米粉のお豆腐ガトーショコラ」と「ちいさなあんみつ」 この日の「日替わりおやつ」は、「ベイクドチーズケーキ」「米粉のお豆腐ガトーショコラ」「ちいさなあんみつ」「バナナチョコマフィン」の4種類。通常は500円ですが、ランチとセットだと300円で味わえます! この場所から繋がる“縁”を大切に メニュー表をよく見ると、金額の「○○円」が、「○○縁」と書かれているのに気づくはず。名村さん夫妻は、人の“縁”に導かれるように知多半島の美浜町を訪れ、多くの人に支えられて移住することができたそう。 だからこそ、このお店から繋がる“縁”を大切にしていきたいと、名村さん夫妻は料理を提供するだけでなく、地域で出会ったプロの奏者によるピアノとフルートの生演奏会を開催したり、店内で地域の作り手の作品を販売したりしています。 今後は、移住を希望する人の相談に乗るなど、自分たちのできることを広げながら、この町に恩返しをしていきたいと考えているそう。 店主・名村さん夫妻さんにインタビュー ――美浜町に移住したきっかけとは? 雄一さん 以前、静岡県で林業を手がけていた私は、結婚して子どもが生まれたのをきっかけに、より経済的に安定した仕事に就こうと、慣れない営業職に転職しました。仕事は充実していて、社内での役割や期待も高まっていったのですが、その分、家族と過ごす時間はどんどん短くなっていく。 家族の幸せのために頑張っているのに、家族の幸福度がどんどん下がっていくことに違和感を覚えて、ついに体調を崩してしまったんです。 そんなとき、友人である「Rainbow Art」の店主・仙石さんのもとを訪ねてみたら、美しい海や自然、地域の皆さんの人柄の温かさに、居心地の良さをすごく感じて。もう一度、ここで家族の基盤を作り直そうと、移住を決意したんです。 ――パン作りを始めた経緯を教えてください。 陽さん 実は、私は幸田町にある「ダーシェンカ」というパン屋さんで、数年間修業していました。結婚後は、パン作りから離れていたのですが、改めて酵母について学びたいと、「ダーシェンカ」で開催される講座に申し込んだんです。 ところが、当日体調を崩してしまって。主人が代わりに参加したところ、一気に酵母の魅力にはまってしまい、今に至ります(笑)。 陽さん 当初は、自宅で焼いたパンを、近所の方にお裾分けしていたのですが、「おいしいから、ぜひパン屋を開いてほしい!」という声を多くいただくように。 そこで、パン屋をスタートし、「Rainbow Art」の休業日にお店を使わせてもらい、「パンプレート」のランチを提供していました。それもあって、今回「Rainbow Art」の建物を受け継ぐことになったんです。 乳製品や卵を使わない身体にやさしいおやつも販売 ――これからやっていきたいことは? 雄一さん 今年から、田んぼでお米作りをスタートしました。機械を使わず、苗からすべて手作業で育てる自然農法にチャレンジしています。また、妻は近隣の子どもたちを対象に、この場所でピアノ教室も開催しています。 これからも、このお店から広がる縁を大切にしながら、僕たちなりに地域に還元できるよう、様々なことにチャレンジしていきたいです! WRITER Sugiyama 自家製の天然酵母パンを味わいましたが、長野の無農薬リンゴから起こした酵母を使って焼かれたパンは、噛むほどにリンゴの甘みや香りが感じられて、とてもおいしかったです。副菜もそれぞれ野菜の味が濃く、種類も豊富でボリュームも満点でした!取材後、名村さん夫妻はお店の一角でお子さんたちと夕食を囲み、楽しそうに過ごしているのが印象的でした。ここ美浜町で家族の時間を大切に、自分たち自身が心豊かに暮らしているからこそ、お客さんにも幸せな気持ちを届けられるのだと感じました。 生きたパンと畑のごはん nanairo 問い合わせ 0569-47-6746 場所 愛知県知多郡美浜町野間須賀95 営業時間 11:00~15:00(LOは14:00) 定休日 月・金曜 駐車場 15台 支払方法 カード・電子マネー不可 Instagram @nanairobakery アクセス 南知多道路「美浜IC」より車で約10分 ※掲載内容は2023年6月時点の情報です ※価格は全て税込み表記です 撮影/千葉亜津子
知多半島の旬の恵みが詰まったランチが自慢。「発酵ご飯と量り売り かもそう食堂」がオープン【愛知県】
知多半島の美浜町で10年近くにわたり愛されてきた「畑カフェ Rainbow Art」が、2023年4月26日(水)に、隣の武豊町にある築115年の古民家に移転オープン!「発酵ご飯と量り売り かもそう食堂」と、名前も新たにスタートしました。 「かもそう食堂」では“食べることは生きること”をテーマに、「畑カフェ Rainbow Art」のころから変わらず、知多半島のみずみずしい旬の野菜を生かすことを大切にしています。そこで今回は、自家製の「発酵調味料」や「量り売り」という新たな要素を加えたお店の魅力を、たっぷりとご紹介します。 旬の有機野菜のおいしさを、発酵調味料が引き立てる 昔ながらの製法を受け継ぐ味噌蔵が今も残る、武豊町里中地区に誕生した「発酵ご飯と量り売り かもそう食堂」。築115年のこの建物も、もとは味噌蔵として使われていたそう! その後、15年ほど自家焙煎珈琲店の「治郎兵衛」が営業してきましたが、マスターが高齢になったことから、店主の仙石修一さんが建物を受け継ぎ、「かもそう食堂」をオープンしました。 古民家ならではのやすらぎあふれる空間で味わえるのは、知多半島の旬の恵を詰め込んだランチコース。前菜やスープ、メイン、デザートは月替わりで、3種類のメイン料理の中から一品が選べる「醸創(かもそう)」と、二品が選べる「豊穣(ほうじょう)」の二つのコースが用意されています。 「前菜盛り合わせ」 まず運ばれてきたのは、前菜盛り合わせです。「大根と塩麹のクミン炒め」や「旬豆の塩麹お豆腐テリーヌ 玉葱麹と豆乳のソース」などに使われている野菜は、知多半島の農家から直接仕入れる有機野菜や無農薬野菜が中心。 その旬のおいしさを、塩麹や玉葱麹、ひしお、甘酒などの発酵調味料によるうま味が引き立てています。 メイン二品のコース「豊穣」(3080円※無農薬ごはん、汁物、デザート、ドリンク付き) 今回はメインの二品コース「豊穣」をチョイス。メインの「錦爽鶏の玉葱麹グリル 新玉葱と大葉のソース」は、錦爽鶏を玉葱麹に一晩漬けてから焼き上げたもの。 もう一つのメイン「天然鰤の自家製ひしお漬け」も、ブリを“ひしお”という発酵調味料に2~3日間に渡り漬け込むことで、うま味を閉じ込めています。 デザートも5種類から選べる。写真は、「塩麹と甘酒のいちごタルト」 店主・仙石さん「知多半島を拠点に料理教室や発酵食作りのワークショップなどを手がける、料理研究家の塩谷明代さんが、『一緒にお店をやりましょう!』と声をかけてくれたことで実現できました」 次のページ… “量り売り”スタイルが、懐かしくて新しい! “量り売り”スタイルが、懐かしくて新しい! もう一つの「かもそう食堂」の特徴は、入り口の右手に設けられた「量り売りスペース」です。ここでは、オーガニックの調味料やスパイス、油、ナッツ、ドライフルーツ、小麦粉、大豆ミートなどの他、武豊町「中定商店」の丸大豆たまりや地元農家の野菜などが、量り売りで販売されています。 店主・仙石さん「買い物のたびにゴミが出る現状を、少しでも変えていきたくて。ここで『量り売り』を楽しみながら体験してもらうことで、他の買い物でも量り売りを選ぶ方や、商品を量り売りで提供するお店が増えていくきっかけになればと思っています」 小さなお子さん連れの方に人気の個室の座卓席も用意。メニューには、「キッズランチプレート」(880円)も 知多半島の旬の食材を生かしたおいしい料理を届ける「かもそう食堂」。そこには、店主・仙石さんの「なるべく地球環境に負荷をかけず、子どもたちの未来に繋がるようなライフスタイルやメッセージをこの場所から広げていきたい」という想いが込められています。 店主・仙石さんにインタビュー ――美浜町から武豊町に移転した理由とは? この建物で、「治郎兵衛」という自家焙煎珈琲店を営んでいたマスターが高齢となり、2年ほど前から「ぜひここを使ってほしい」と声をかけていただいていたんです。 私は「治郎兵衛」が好きでよく通っていて、マスターにもとてもお世話になっていたこと、さらに武豊町が地元だったことから、ここで新たに店を開くことを決意しました。 最初は、「畑カフェ Rainbow Art」と「かもそう食堂」の2店舗を営業していこうと思っていたのですが、長年の友人である「ナナイロベーカリー」の名村さん夫妻が受け継いでくれることに。今年3月から、新たに「生きたパンと畑のごはん nanairo」としてリニューアルオープンしています! ――「かもそう食堂」という店名の由来を教えてください。 「醸す(かもす)」という醸造を表す言葉が、店名のもとになっています。ここ武豊町には、昔ながらの製法で豆味噌やたまり醤油を作っている蔵がいくつも残っていて。 そんな醸造の町で、手作りの発酵調味料や発酵食を取り入れながら、心も身体も喜ぶ料理を届けていきたいという思いが込められています。 ――これから手がけていきたいことは? 「量り売りコーナー」で、付き合いのある農家さんの野菜を生かした惣菜や、自家製の発酵調味料を販売していきたいです。 農家さんは野菜作りの中で、サイズが小さかったり、割れていたりと、B級品と呼ばれる野菜がどうしても出てきます。僕たちは、それをB級品だとは思っていなくて。そうした規格外の野菜も、惣菜や玉葱麹などの発酵調味料に生かして、ぜひ近々販売していきたいと考えています! もう一つは、現在、「中定商店」の丸大豆たまりを、量り売りで販売していますが、他の醸造蔵とも関係を広げて、地元の豆味噌やたまり醤油など種類を増やしていければと思っています。 また、発酵調味料をはじめ、味噌作りや梅干し作りなど、料理教室やワークショップも、ここで開催していきたいですね。 WRITER Sugiyama 古くから醸造業が盛んな武豊町にある、かつて味噌蔵だった古民家の温もりあふれる空間でいただく発酵ご飯は、一品一品、しっかりと素材の持ち味と発酵調味料のうま味が感じられました。また、店内のテーブルや棚などの什器は、古材や古い建具をリメイクしていて、なるべく地球環境に負荷をかけず、素敵な空間を作りたいという店主・仙石さんの思いが感じられました。ランチは予約必須ではないそうですが、連日多くのお客さんが訪れているので、予約をして訪れるのがおすすめです。 発酵ご飯と量り売り かもそう食堂 問い合わせ 0569-72-0160 場所 愛知県知多郡武豊町里中128-1 営業時間 10:00~17:00 (ランチLOは15:00、カフェLOは16:00) 定休日 月・火曜 駐車場 12台 支払方法 カード・電子マネー可 Instagram @kamosou.shokudo アクセス 名鉄「知多武豊駅」、JR「武豊駅」より徒歩で約15分 ※掲載内容は2023年6月時点の情報です ※価格は全て税込み表記です 撮影/千葉亜津子
ボリューム満点の「有機野菜のデリプレート」がお目当て!愛西市「cafe&sweets lumiukko」【愛知県】
今回は、雑誌『KELLY』7月号「推しカフェ」特集から、犬飼奈津子さんの一押しカフェ、愛西市にある「cafe&sweets lumiukko」をピックアップ! 「ここのデリプレートは、ボリューム満点で、私のお腹を存分にみたしてくれます。」と犬飼さん。そんな「cafe&sweets lumiukko」の推しポイントを詳しくご紹介していきます! recommender 犬飼奈津子さん 【PROFILE】広報歴15年の経験を持ち、多くの人と関わりながら日々グルメ情報を入手。マイルールは、「いつ何時も食べたいものを食べる」。@natsuinu 市内で採れた無農薬の約15種類の有機野菜をたっぷり使った、「有機野菜のデリプレート」(1480円)は、ボリューム満点で栄養バランスも良い、人気の日替わりメニューです。 家庭料理をベースに、食材の味を引き出した一皿には、煮物や揚げ物、和え物など、様々な調理方法を用いた料理がたっぷりと盛り付けられています。「素材にこだわった手作りの惣菜が何種類も入っているので、彩りが良く、店主の愛情も感じます」と犬飼さん。 サラダに用いるドレッシングも手作りです。店主はおいしいものを食べてもらいたいとの思いから、手間を惜しみません。 添加物をなるべく使わず、国産の材料にこだわったスイーツも人気です。 クオリティの高いケーキには、スペシャルティコーヒー100%を使用し、丁寧に抽出した一杯を! 「味はもちろんですが、店主たちの心遣いにも惹かれます」と犬飼さん。 店名の「lumiukko」とは、フィンランド語で「ゆきだるま」の意味だそうです。 人気料理の作り方を伝授! 「愛西レンコンの天ぷら」 Step1 モチっとした食感が特徴の愛西産レンコンは、農家から新鮮なものが届きます。 Step2 きび砂糖を使って煮汁でじっくり煮込んだレンコンは、汁につけたまま完全に冷まします。そうすることで、味がしっかりと染み込みます。 Step3 米油を贅沢に使った、中湯の油に、衣をまとわせたレンコンをダイブ!程よいタイミングで引き上げて完成です。素材が持つほのかな甘みが癖になる一品♪ 「バジルポテト」 Step1 あらかじめ蒸しておいたジャガイモを、大きめにカットします。 Step2 たっぷりの米油に入れて、サッと素揚げ。一度揚げることで、型崩れをしにくくします。 Step3 たっぷりのニンニクとオリーブオイル、バジルペーストを先に炒めます。 Step4 ジャガイモを投入!塩をしっかりと振って、軽く炒めたら完成です。 cafe&sweets lumiukko(カフェ&スイーツ ルミウッコ) お問い合わせ 0567-58-2295 場所 愛知県愛西市西保町六十坪43 営業時間 11:00〜16:00 定休日 不定休 駐車場 12台 支払い方法 カード・電子マネー不可 Instagram @cafeandsweets_lumiukko 平均予算 昼2000円 アクセス 名鉄「佐屋駅」より車で約5分 ※価格は税込み表記 ※掲載内容は2023年5月時点の情報です