年齢や時代と共に視点が変わる、何度観ても色褪せない面白い映画たち

お客さん ありがとうございます。今回、久しぶりに手書きの字幕でフィルムの映画を観たのがすごい懐かしく、20代の頃を思い出しました。美術系の学生だったので、アトリエなどに『トレインスポッティング』のポスターとかチラシがあちこちに貼ってあって、当時は、怖くてちょっと観れなかったけど、時を超えて今日は距離感を置いて観られたのがすごくうれしかったです。そういう経験があれば、教えてください。

庄司さん 映画だと『ゴッドファーザー』とかは子供の頃にやっていて、まだ全然わかんないじゃないですか。でもやっぱ10代でちょっと難しいなと思って、20代でもう一回観たら面白い、30代で観たらまた違う側面とか悲しさとかも分かって、今40代なんですけど、それでも全然新しく発見するようなところがあったりしますね。

大森さん めっちゃ流行って、皆がこぞって観る作品は、その時期に観ない。なんか評判の印象がすごく植え付けられちゃうからっていうのがあって、自分の考えを結構強めに持っていたんですよね。そのライターさんが書いているものも全然面白くて読んだうえで、その映画を観てもよかったはずなんですけど、そういうことに対して斜めに構えていたから、そういう現象が起きたんでしょうね。携帯見たら情報が入ってくるような時代でもなかったので、だいぶ経ってからその映画を観るということをやっていました。最近でもあって、渡辺謙さんの映画『インセプション』。すごく難しそうと思っていましたが、最近観たら、めっちゃ面白かった。でも映画って、すごく面白いって言われている映画を観終えちゃうと、読み終わったあとの『ジャンプ』みたいな。だから、未来のためにとっておきたい気持ちもあります。

須藤さん そもそもそんなに映画文化に触れてきてなかったんですよ。本当に『TED テッド』や『ハリーポッター』ぐらいしか知らなくて、その後、役者始めてちょっと観出して。コロナ禍でジブリがやっていて、その『ペット』とかの延長線上で『千と千尋の神隠し』を観に行ったらぶっ飛んじゃって、ファーストカットが素晴らしすぎて泣いちゃって、最後まで泣いているみたいな。宮崎駿監督、逆に大好きすぎてやばいみたいなことを今ふっと思いました。

庄司さん 最近僕、『シン・仮面ライダー』観ました。南朋さんの声が!

お客さん 素敵でした。私も観ました。

大森さん まだマイク生きてたんですね(笑)

庄司さん ありがとうございます。最高です!南朋さん、めっちゃ蹴っ飛ばされてましたよね。

大森さん 俺じゃないけどね(笑)

須藤さん 自分の時代では、『トレインスポッティング』みたいな、そもそも若い美大生がこぞって観に行くような映画がなかったりするので、この席が同世代で満席になるよう新しい仕掛け方みたいなのをやっていきたいなと、いま聞いて燃えちゃいました。『トレインスポッティング』を観て、今日思ったんですけど、何にも古びないですね。今もめちゃくちゃ新しいなと思います。

原田さん また、『トレインスポッティング』の意味なんですが、“トレインスポッター”という言葉があって、薬物中毒者が夜中にもう無くなった駅にたまるというところから、“トレインスポッティング”という言葉になっている。だから、薬物中毒者の話なんです。1つ小ネタがあって、レントンの部屋で気づいたかもわかんないんですけど、壁に電車が貼ってありましたよね。

大森さん その20代や10代がいっぱい来る映画館の映画の主演が俺だったら面白い(笑)ね。

須藤さん 若者だらけの大森さん主演のヒット作。

大森さん 俺以外をみんな若者にしたらいいよね(笑)そしたら、ごまかせるかな(笑)

会場 (笑)

岐阜新聞映画部 後藤さん ロイヤル劇場にお越しくだり、本当にありがとうございました。最後に一言ずついただきます。

大森さん みなさん、本当に昼間からとんでもない映画を観させられて、ご苦労様でした。こういう映画館はもう都内にはもうほとんどなくなっているので、こういう映画館で観るとやはり感動します。僕は昭和生まれで、座席に座った感触とか、音の鳴りとか、フィルムの映りをこうやってまだ体験できる場所があると思うと、幸せな気持ちになれるので、ロイヤル劇場がずっと残っていただけると、また遊びに来れると思います。大森南朋ナイトなどを企画しておりますので、よろしくお願いします。

庄司さん 今日は、どうもありがとうございました。それと、まさに南朋さんがおっしゃるように、こういう文化財と言いますか、みなさんの日常の楽しみが錯綜する場所って必ず必要なものだと思います。微力ながらではありますが、お受けさせていただきつつ、みなさまも日々の中で映画というものを暮らしの中に添えていただけたら、なお楽しい豊かな人生になるんじゃないかと思います。どうもありがとうございました。

須藤さん みなさん、今日はどうもありがとうございました。ロイヤル劇場では、クラウドファンディングを実施中ということで、こういう場所があるからこそ、去年僕も夏祭りを仕掛けることができましたし、僕のようなこれから映画界を作っていく立場の人間としては、こういう場所が残っていていただけると、『トレインスポッティング』のような映画などの名作の力をお借りして、この場所からまた新しい形で発信することができます。僕の監督最新作『『ABYSS アビス』もなんちゅうもん見せられたんやっていう映画ですので、そのへんも含めてロイヤル劇場と共にみなさんに楽しんでいただけたらと思います。今日は、お忙しいところ来てくださったお2人にみなさんまず、大きな拍手をお送りください。

劇場は本当にお客さんが入ってこそだなと改めて思いますので、集まってくださったみなさん、そして運営してくださっているみなさん、応援にかけつけてくださったテレビ局のみなさまも、今日はどうも本当にありがとうございました。

ロイヤル劇場 大野支配人 私、大野と申します。本日は本当にこんなに大勢のお客さんお越しいただきまして、もう感謝の極みでございます。ありがとうございます。ロイヤル劇場のクラウドファンディングを9月22日から立ち上げ、みなさま方にご支援をいただいているような状況ですが、まずは劇場に多く来ていただくことが第一目標でございます。みなさんが応援団でございます。こうやって劇場に来ていただいて、今日こうして楽しいトークショーを見て、お宅に帰って明日、職場や学校に行かれて、そこで昨日こんなことがありましたと、岐阜に行ってきましたと、ロイヤル劇場って知っていますか?と言っていただけると、それで結構でございます。それが私どもにとってのクラウドファンディングだと思っていますので、みなさま、ぜひぜひロイヤルという劇場の宣伝をしていただいて、ますます応援していただければと思っております。本日は本当にありがとうございました。

岐阜新聞映画部 後藤さん 本当にこの劇場は貴重な映画館です。このクラウドファンディングをやらせていただいているおかげで、日本中の方から今注目していただいております。この流れを大切にしてですね。この劇場に来ていただいて体感し、今この35mmフィルムで観られることの貴重さなど、もちろんデジタルで観ることも美しいですし、環境もいいですし、快く観られますが、ロイヤル劇場のこの雰囲気をぜひ、みなさんと共有できたらいいなと本当に思っています。日本の宝、岐阜の宝としてみなさんでお守りいただきたいなと心から思っております。本当に今日はロイヤル劇場に来ていただいてありがとうございました。

昨年から公開を楽しみにしていた『ABYSS アビス』は、岐阜・CINEX、名古屋・センチュリーシネマ他で絶賛公開中!ラブストーリーながら、辛い社会の現実に、自分も映画と一緒に沈んでいくような没入体験をしたように思います。辛い現実にぶち当たってもそれでも人は生きていく、そのリアルさが刺さる、自分と向き合うきっかけにもなる作品です。須藤蓮監督がこだわった映像美と音楽にも注目して、ぜひ大きなスクリーンで体感してください。岐阜のロイヤル劇場では、「ロイヤル、オモイヤル」を合言葉にクラウドファンディングを実施中!みなさんの思い出の場所、東海の文化を守るべく、こちらも要チェックです!

映画『ABYSS アビス』

公開日
CINEX、センチュリーシネマ他で絶賛公開中!
監督
須藤蓮
脚本
須藤蓮、渡辺あや
出演
須藤蓮、佐々木ありさ、夏子、松本亮、浦山佳樹、三村和敬、二ノ宮謙太 他
配給
FOL
公式サイト
https://abyss-movie.jp/
R15+ ©2023「ABYSS アビス」製作委員会

ロイヤル劇場 思いやるプロジェクト

内容
「ロイヤル、オモイヤル」を合言葉に、35ミリフィルム専門常設上映館の存続に向けて、クラウドファンディングを実施中!
プロジェクト公式サイト
https://gifunpmovieclub.kas-sai.jp/


※掲載内容は2023年11月時点の情報です

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映画『ABYSS アビス』が絶賛公開中!岐阜のトークイベントに大森南朋さん、須藤蓮さん、庄司信也さんが登壇!

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KELLY Editors

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