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常滑「えんける道具店」の丁寧な暮らし。VOL.3 -“七輪”を始めてみる-

2018.12.13〈Thu〉

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「師走」と書くように、せわしなく、あっという間に過ぎ去ってしまう12月を、できるだけ丁寧に暮らしたい。そんな思いを叶えてくれるお店が、焼き物の産地・常滑にあります。「常滑やきもの散歩道」に佇む小さなお店が、「えんける道具店」です。

暮らしに良いものに出合える、「えんける道具店」

名鉄「常滑駅」から徒歩10分のところにある。

古い長屋の一角がお店になっていて、陶器の湯たんぽ、黒七輪、昭和中期のレトロな器など、暮らしの良いものがそろいます。連載最終回となる今回は、「七輪」についてお聞きました。

中村さん 戦後の日本では都心部の庶民生活を支える調理器具だったという、七輪。調理器具は、炭火からガス火へと、時代とともに移行していきました。そんな現代でも、昔の製法のまま作り続けられている「杉浦さんのつくる黒七輪」をご紹介します。

丁寧な職人の手仕事が光る「黒七輪」


「杉浦さんのつくる黒七輪」(6696円)。独特の重厚感あるたたずまい。

中村さん 創業は大正5年。瓦の産地で有名な愛知県碧南市に、日本で唯一黒七輪を作り続けている職人・杉浦さんがいます。今も昔ながらの製法で作る黒七輪は、艶のある見た目の美しさと、丈夫であるという機能性を兼ね備えた、長く使える暮らしの道具です。

丈夫さの秘密は、七輪の二重構造。外側には、熱に強い素材「三河土」、内側には七輪に適した素材「珪藻土」が使われています。また、長持ちのもう一つの秘訣が、土製の空気口です。金属製だと取れたり壊れたりしやすいのですが、丈夫な三河土でつくられているので、壊れることなく長く使えます。

何もしなくてもおいしく焼ける調理道具

中村さん 余計な味付けも下ごしらえもいりません。ただ焼くだけ。七輪調理のおいしさの秘訣は、炭火と、七輪の素材である珪藻土です。炭火による高温は、外側をパリッと焼き上げます。食材の内側までじんわりと届く遠赤外線は、食材のうま味や水分を逃しません。外はパリッ、中はジューシーに。ガス火とは違うおいしさがあるのです。食パンを焼いてみたところ、トースターで焼くパンと比べ、中がふんわり、しっとりした食感に焼きあがりました。

中村さん いつもの白米で五平餅も焼けます!焼くとぷくぷくと膨らんで面白いです。五平餅を眺めながら、お味噌がこんがり焼ける香りも楽しめました。

中村さん 炭火が弱くなったときは、七輪の中の炭を崩してあげると、炭と炭の間に酸素がいきわたり、火力が復活します。もしくは、炭を足して空気口からうちわであおいであげると、再び高火力になります。七輪を囲む時間には、ぬくもりとおいしさ、楽しさ、心地良さがあります。じっくりと炭火を眺めながら焼き上がりを待つ時間も、何とも贅沢です。新年を迎えるこれからの時期には、お雑煮に入れるお餅を焼くのも良いですね。冬が過ぎて桜の季節がやってきたら、お花見に持っていくと重宝しそうです。夏は、キャンプで飯盒炊爨もできます。さまざまな場面で一年中使えるので、ぜひ黒七輪を生活に取り入れてみてくださいね。


もくじ

¶ VOL.1 “甕(かめ)”のある暮らし(2018.11.29 up )
¶ VOL.2 “湯たんぽ”のある暮らし(2018.12.06 up )
¶ VOL.3 “七輪”のある暮らし(2018.12.13 up)


店名
えんける道具店
場所
愛知県常滑市陶郷町1-1
営業時間
12:00~17:00(日曜は11:00~)
定休日
水・木曜定休
駐車場
なし(陶磁器会館駐車場を利用可※土・日曜、祝日は有料)
カード
不可
公式サイト
http://tokonameenkel.com

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