明石家さんまさんからの忠告とは…
――作品を拝見して、初期からだんだんと線の太さや色使いなどが変わっているのかなと感じました。
大西さん そうですね。30年間をいくつかに分けると、第一弾は、例えば魚がいたら四角い枠からはみ出して描く、第二弾は海外で見た光景をキャンバスからはみ出して描く、第三弾は前方にはみ出して描いていく、みたいな感覚です。
今回、名古屋会場のための新しい作品を用意したのですが、色に対してこだわりがすごい出てきましたね。もう二度と出せない色とかを使っています。
――画法が変わってきているのは意識的にですか? それとも感覚的にですか?
大西さん 全部、感覚ですね。スペインへ移住した時、さんまさんに「お前の好きな画家・ピカソの作品と出合うためにスペインへ行ってるんやから、他の画家の作品は絶対に見るなよ」と言われました(笑)。「好きな画家は追いかけても良いけど、お前は他の画家の作品を見て変に影響を受けたらあかん」と。
――忠告されたんですね。
大西さん ニューヨークに「New York Art Studio(ニューヨークアートステューディオ)」というアート・デザイン系の学校があるんですけど、僕そこに受かったんですよ。さんまさんに「受かったので留学に行きたいです」と伝えたら、「お前の人生やし自由にしたらええけど、お前の個性は死ぬぞ」と言われました(笑)。
――絵にとって個性はかなり重要ですよね。
大西さん そうですね。「絵が上手な人はいっぱいいる。お笑いも面白い人はたくさんいる。けど、自分の個性・キャラは突き通さなあかん」と言われて、ニューヨークへ留学に行くのはやめました。
――そこでもしニューヨークへ留学に行っていたら、また違った人生になったのでしょうか。
大西さん 間違いなく「世界のジミー」になっていましたね。ガウディ建築の外尾悦郎さんからもたくさん仕事を紹介していただいたんですけど、英語が喋れないから、すべてものにできなかったんですよね。
悦郎さんから「彫刻するか?」と、ご自身の師匠を紹介してくれることになって、ノルウェーまで行ったこともありましたが、彫刻していた時に手の指の神経を切ってしまって、それでもう「やーんぴ」ってやめました(笑)。
――画家人生30年間で、変わらない点はありますか?
大西さん 給料かな(笑)。
――(笑)。絵に対して変わらない部分は?
大西さん “直球の色”と中間色を大事にすることですね。直球の色を使うために、中間色を大事にしているという感覚です。
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制作現場は、「吉本興業のデスク」!?
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