ツアー『SCANDAL TOUR 2024 “LUMINOUS”』や今後について
―― 4月2日からツアーも始まりますが、心の準備はできていますか?(※取材時はツアー前)
それが、全然できていないんですよね(笑)。週に一回、4人だけでスタジオに入ってリハを行うのですが、みんな必死になっています!これからスタッフも含めて全体のリハが始まるので、色々整っていくとは思うのですが…。今回、会場の大きさがバラバラなので、その中でどう見せられるかを常に意識しながら動いています。セトリは、ファンのみんなが喜んでくれるように、自分たちの首を絞めて頑張っています!!
―― 5月に蒲郡市で行われるフェス「森、道、市場2024」に初参加されますが、意気込みなどお聞かせください!
地元・愛知県のフェスは、「TRESURE05X」や「MERRY ROCK PARADE」、「YON FES」に参加したことはありますが、「森、道、市場」は初めてです。「森、道、市場」は、フードブースがいっぱい出ていると思うので、とても楽しみです!
出演者は、普段あまり交わることのないアーティストの方々が多く、初めましての方ばかりだと思います。お客さんも「SCANDAL」を初めて観る方がほとんどかもしれないので、1人でも多くの方に楽曲を聴いてもらえるような楽しいライブにしたいです。制服でデビューしているイメージが強いと思うので、これを機に、新しい「SCANDAL」の印象に変えられるとうれしいです。
―― 最近、長期でお休みを取られていましたが、MAMIさんは愛知県に帰省されていましたか?
その期間に2回ほど帰省していました。お墓参りに行ったり、親戚と集まったり、お母さんと「栄」や「矢場町」でぶらぶらお買い物したり…とっても日常的な過ごし方をしていました。ここまで長く休みを取ったのは初めてだったので、メンバー各々、普段できない旅行や自分の好きなことをして過ごせたので、良いリフレッシュになりました!
―― 他には、何をされて過ごしていましたか?
今しかできないので、お母さんと2人で大分へ行きました。あと、『サンリオ』が大好きなので、「サンリオピューロランド」へ行ってきました!私の周りに、「サンリオピューロランド」へ行きたいけど行くタイミングがない友人が何人かいたので、その子たちを連れて、何度も行きました(笑)。みんな楽しそうで良かったです。実は、旅行で行った大分にも「サンリオキャラクターパーク ハーモニーランド」というテーマパークがあって、お母さんと満喫してきました♪
―― 最後に、『日刊KELLY』の読者へ一言お願いします!
自分たちに、胸を張って頑張ったね!と言えるような清々しい、とてもいいアルバムができたので、たくさんの方に聴いていただけるとうれしいです。このアルバムは音にこだわっていて、音源で聴くのとライブで再現するのとでは全然違います。地元が会場だと、私やHARUNAのテンションも上がると思うので、ぜひ5月4日のライブに遊びに来てくれるとうれしいです!!
アルバム『LUMINOUS』には、「SCANDAL」さんの新たな魅力がたくさん詰まっています。勇気づけてくれるようなポジティブな歌詞にぜひ注目してください♪ 第二章が始まった「SCANDAL」さんに、今後も目が離せません!
11th Album『LUMINOUS』
通常盤(CD)3300円
初回限定盤A(CD+Blu-ray)4950円
初回限定盤B(CD+雑誌)4950円
完全生産限定盤(CD+Blu-ray+GOODS)1万2100円
〈収録曲〉※全形態CD共通
1.群青pleats
2.ファンファーレ
3.私たち
4.Plum
5.CANDY
6.Vision
7.LOOP
8.Line of sight
9.あなたへ
10.1:47
11.ハイライトの中で僕らずっと
SCANDAL TOUR 2024 “LUMINOUS”
- 日時
- 2024年5月4日(土・祝)
17:00開場/18:00開演
- 会場
- Zepp Nagoya
- 料金
- 1Fスタンディング6000円
2F指定席6500円
※学生は一律5000円
※ドリンク代は別途
公式サイト
www.scandal-4.com/
レーベル オフィシャルサイト
www.her-label.com/
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SCANDAL、ニューシングル『Line of sight』を発売!HARUNAさん(Vo&Gt)にインタビュー
今年、2023年に結成17周年、デビュー15周年を迎える、日本を代表するガールズバンド・SCANDAL(スキャンダル)が、2023年5月10日(水)に28枚目のニューシングル『Line of sight』を発売しました! 愛知県出身のHARUNAさん(Vo&Gt)に、5月4日(木)に終えたツアー『SCANDAL TOUR 2023 “unlimited UTOPIA”』と、ニューシングル『Line of sight』についてインタビューさせていただきました! SCANDAL(スキャンダル) プロフィール 2006年、大阪・京橋で結成。2008年、「DOLL」でメジャーデビュー。翌年には「少女S」でレコード大賞新人賞受賞。近年ではSCANDALの影響で楽器を始める女子も増え、10代女子を中心に絶大な人気を誇っている。2019年にプライベートレーベル“her”を始動、名実ともに日本を代表するガールズバンド。 SCANDAL TOUR 2023 「unlimited UTOPIA」を終えて ――まずは、SCANDAL TOUR 2023「unlimited UTOPIA」、お疲れさまでした!全国7公演が終わって、今の心境はいかがですか? ファンのみんなからたくさんのエネルギーをもらって、心も身体も満たされましたし、とても充実したツアーになりました!久しぶりに声出しができる公演ということで、今までのSCANDALの曲の中でも、みんなが声を出せるような楽曲を中心にセットリストを組みました。ファンのみんなが、自分たちの想像を遥かに超える大きな声を出して、楽しんでくれているのを目の当たりにして、初日が名古屋だったこともあり、涙が出ちゃうくらいうれしかったです! ――今回のツアーは名古屋が初日でうれしかったです!どうやって決まったのですか? 本当にたまたま、名古屋が初日になったんです!地元が初日というのは、とてもうれしいですね。名古屋のファンのみんなは、アットホームな空気感でいつも迎え入れてくれるし、いつもノリが激しい(笑)ライブハウスが大好きなファンが多いので、絶対に盛り上がってくれるなという安心感があります! ――ライブでは、ステージからいつも以上に熱を感じました!特にMC中のHARUNAさんからは、今回のライブに対する熱い気持ちや、ファンに対する感謝の気持ちがたくさん伝わってきて、ウルっとする場面もありました。コロナが終息して、観客も声出しOKとなったときに、どんなことを考えましたか? コロナ禍ももちろん曲を作ったりライブをしたり、そのときにできる最大限のことを4人でやってきました。きっと私たちもファンのみんなもその3年の間に、生活する中でいろんな変化があったと思います。例えば、コロナに感染してしまったり、体調を崩してしまったり。自分自身にいろんなことが起こったと思うんですけど、その間もSCANDALのことを忘れずにいてくれて、SCANDALの音楽を頼りに生きてきてくれたことがすごくうれしくて! ライブ中、「その間も私たちと一緒にいてくれてありがとう」って感じる場面が多くて、その気持ちをきちんと自分の言葉で伝えたいなと思って、毎公演ファンのみんなに伝えるようにしていました。 実際にライブに足を運ぶとかCDを買うとか、なかなか難しいじゃないですか?相当好きじゃないとできないことだし。愛がたくさん伝わってきて、本当にうれしかったですね。 ――もちろん演奏や演出は素敵でしたが、何よりも、メンバーそれぞれの個性が出ている衣装が、とってもかわいくて素敵でした!皆さんデザインが異なる衣装でしたが、こだわりやコンセプトなどがあれば教えてください。 衣装かわいいですよね!今までは結構はっきりとした色味の衣装が多かったので、今回は白やトーンの落ち着いた優しい色味の衣装がいいなと思っていました。4人の全体のイメージを先に伝えてから、個々にスタイリストさんに選んでもらって、その中でもデザインが効いていて、SCANDALらしさや個性が出るものを選びました。 次のページ… 『機動戦士ガンダム』の主題歌『Line of sight』の制作秘話 『機動戦士ガンダム』の主題歌『Line of sight』の制作秘話 ――続きまして、5月10日(水)、ニューシングル『Line of sight』の発売おめでとうございます!1年ぶりの新曲で、待ち望んでいたファンの方も多いと思います。今回は、『機動戦士ガンダム アーセナルベース LINXTAGE』のテーマソングの書き下ろしですよね。オファーがあったときは、どんなお気持ちでしたか? 「まさかガンダムの主題歌をやらせてもらえるとは!」と、とてもびっくりしました。去年出したアルバム『MIRROR』は、コロナ禍を受けて作ったので、今までに比べるとナチュラルな曲ばかりでした。なので、そこから今の『Line of sight』に向かうまでに、楽曲制作に少し息詰まった部分もあって。『MIRROR』のモードから一個ギアを入れるのに、何かきっかけが必要だなと思っていたタイミングでのオファーだったので、すごくいいきかっけきっかけになりました。 ――実際にHARUNAさんは、ガンダムシリーズの作品をご覧になったことはありましたか? 私は観たことがありませんでしたが、弟がすごくファンでとても喜んでいましたね!メンバー内では、歌詞を書くにあたってRINA(Dr&Vo)が観ていて、いい意味でイメージが変わったし、とても観やすかったと言っていました。『水星の魔女』という新シリーズは、今までのガンダムファンだけではなく、たくさんの人に向けて作っているみたいなので、今までのガンダムを知らない人でも楽しめる作品になっているそうです! ――デビューしてから今まで、『鋼の錬金術師』や『戦国BASARA4』、『ゲゲゲの鬼太郎』など、さまざまなアニメの主題歌やオープニング・エンディングテーマに楽曲が起用されていますが、今回はどういう流れで曲が出来上がったのですか? 作曲を担当したのはMAMI(Gt&Vo)で、いつもは曲ができたら、自分の思い描いているものを打ち込んでデモにして聴かせてくれるんです。だけど、オファーをいただいたときが、ちょうど制作に行き詰まっていた時期だったので、今回はいつもと作り方が違いました。 MAMIから、「テンポの速い激しい曲をポンッと生み出すのは、少し難しいかもしれない」という話があったので、「弾き語りで、Aメロ・Bメロ・サビと、メロディーのカケラが少しでもできたら、その都度聴かせてもらうのでもいいよ」という話をしました。何か思いついた時点で弾き語りをボイスメモで録ってもらって、「Aメロこんなのができたんだけどどうかな?」と、何パターンか送ってもらい、その中からみんなでチョイスしていくという作業を繰り返しました。 アイデアを色々出してくれたのはMAMIで、それをみんなでセレクトして繋ぎ合わせて、曲を作り上げました。「なんとなくこんなメロディーでいこう!」と、今回はメロディーが先にまとまってから、RINAに歌詞を書いてもらったんです。 ――「楽曲はこんなイメージで作ってほしい」などのオーダーはありましたか? 今回は、アーケードゲームの主題歌ということで、戦闘シーンの1番盛り上がっている部分で使いたいというお話でした。「ガンダムは昔からある人気の作品だけど、楽曲を通してもっともっと勢いを増していきたい」というオーダーをいただきました。それを受けて、テンポは速い方がいいかなとか、バンドサウンドで攻めていってもいいかなとか、いろんな話をしながら曲を作っていきました。 ――曲が出来上がったときは、どんな気持ちでしたか? ガンダムの主題歌として書き下ろした曲ですけど、自分たちの今の気持ちとリンクしていましたね。コロナ禍を経て、またここからライブや活動を、新しいSCANDALとしてやっていきたいなと思っていたタイミングだったので、「まだまだやれるぞ!」という気持ちになるような、前向きな歌詞に背中を押されて。バンドを結成して17年経っても、まだこんなに新鮮な気持ちになれるんだなって、今回すごく感じさせられました。 ――最近のSCANDALとは一味違って、『瞬間センチメンタル』の頃が思い浮かぶような、力強さや爽快感を感じました。レコーディングで意識したことはありますか? 歌に関してもストレートにぶつかりました。こういったバンドサウンドは、自分的に歌いやすく得意な曲調なので、テクニックというよりは気持ちで、曲に身を任せて歌いましたね。 SCANDAL「Line of sight」- Music Video ――MVは、曲の疾走感が表現されていて、とてもかっこよかったのですが、どういったコンセプトで作ったのでしょうか? 昔からお世話になっている監督の方に、久しぶりに撮っていただきました。とても信頼している方なので、「この曲を聴いて、思い描く通りにしてください!」とお願いすると、めちゃくちゃかっこいい演奏シーンを撮ってくださって、すごくうれしかったですね。今回、ストーリー性は持たせておらず、今のバンドの空気感が存分に出ているMVになりました! ――どれくらいの時間をかけて撮られたのですか? 最初は個々を撮って、最後に全員で撮りました。夜までかかったので1日くらい?昔は衣装やセットを替えて撮っていたこともあるので、24時間以上かかっていたときもありました。なので、それに比べると短い方ですね! ――カップリング曲の「Vision」は、RINAさんが作詞作曲を担当されていますよね。歌詞がRINAさんらしくて、「Line of sight」ともまた違ったノリのいい曲となっていますが、どんな風に出来上がったのですか? お正月くらいにメンバーそれぞれが自分で作った曲を持ち寄って集まったんですけど、そのときにRINAがDTMで音を繋ぎ合わせて、こんな雰囲気!と聴かせてくれた曲なんです。そのときはまだ曲として完成していなかったんですけど、年明けにみんなでスタジオに集まって、RINAが作ってくれたメロディーを基に、ちょっとコードを変えたりして作り上げました。 「Line of sight」は、割と派手なバンドサウンド中心ではあるけど、勢いを出すために、それ以外の音を効果的に入れて作っているので、「Vision」は4人の音だけで、派手すぎずシンプルにかっこいい曲を目指しました。浮遊感のあるメロディーが新しくていいなと思っています! ――他のメンバーが持ち寄った曲も、今後形になるのでしょうか? 今後どういう風に形にしていくかは分からないけど、それぞれ少しずつ制作を進めてはいるので、楽しみに待っていてください!! 次のページ… SCANDALの今後の活動について SCANDALの今後の活動について ――2023年は、どのような1年にしていきたいですか? 今年で結成17周年、デビュー15周年になるのと、はっきりとは言えませんが、ガールズバンドの世界最長記録を達成したいなと思っているので、自分たちにとってお祝いごとが多い年になります。なので、1年通してファンのみんなと派手にお祝いをして、楽しめたらなと思っています! 8月21日は、結成17周年記念イベントで「なんばHatch」、10月は、東名阪のZeppでデビュー15周年のツアーをやるので、たくさんの方にお祝いしてもらえたらうれしいです。 ――最後に、ファンの皆さんへ一言お願いします! ファンのみんなとメンバーの支えがあるから、いろんな苦しいことも乗り越えられているなと本当に感じるので、これからもそんなファンのみんなが笑顔になってもらえるようなライブをたくさんやりたいし、ファンのみんなが喜んでくれるような活動をやっていきたいなと思っています。いつも一緒にいてくれてありがとうって言いたいですね! SCANDAL ニューシングル『Line of sight』 2023年5月10日(水)リリース 〈CD収録曲〉 1.Line of sight 2.Vision ●完全生産限定盤(CD+GOODS)/3300円 ●初回BD盤(CD+Blu-ray)/2750円 ●初回DVD盤(CD+DVD)/2750円 ●通常盤(CD)/1100円 公式サイト https://www.scandal-4.com/ Twitter https://twitter.com/scandal_band Instagram https://www.instagram.com/scandal_band_official/ Facebook https://www.facebook.com/scandalofficial tiktok https://www.tiktok.com/@scandal_band_official YouTube https://www.youtube.com/channel/UCSNX8VGaawLFG_bAZuMyQ3Q ※掲載内容は2023年5月時点の情報です ※価格は税込み表記です
SCANDALが新アルバム『MIRROR』をリリース!HARUNAさん(Vo&Gt)、MAMIさん(Gt&Vo)にインタビュー
昨年、結成15周年を迎えた、日本を代表するガールズバンド・SCANDAL(スキャンダル)が、2022年1月26日(水)に通算10枚目となる新アルバム『MIRROR』をリリース! 2021年にリリースしたシングル曲「eternal」「アイボリー」「one more time」を含む、計10曲が収録されています。 今回、愛知県出身メンバーのHARUNAさん(Vo&Gt)、MAMIさん(Gt&Vo)に、アルバムについてたっぷりとインタビューさせていただきました! SCANDAL(スキャンダル) プロフィール 2006年大阪・京橋で結成。2008年「DOLL」でメジャーデビュー。翌年には「少女S」でレコード大賞新人賞受賞。近年ではSCANDALの影響で楽器を始める女子も増え、10代女子を中心に絶大な人気を誇っている。2019年プライベートレーベル“her”を始動、名実ともに日本を代表するガールズバンド。 ――結成15周年おめでとうございます!15年目を迎えられたということで、今の心境はいかがですか? HARUNAさん この長い間、4人で一緒にやって来られたのはすごいなあと感じています。結成した当時は10代で、30代の自分たちのことは全く想像できなかったんですけど、大人になってもガールズバンドを続けられていることを誇りに思っています。メンバーは、家族のような存在ですね。 MAMIさん 思い返せば、本当にいろんなことをやってきて、15年もよくやってきたなって。人生の半分くらいバンドをやっているので、「バンドをやってなかったら何してますか?」って聞かれても思い浮かばないぐらい、SCANDALに捧げた15年でした。すごく貴重な経験をさせてもらって、転生しても味わえない人生だろうな、続けてこられて良かったなって思います。 ――SCANDAL結成日の8月21日には、15周年記念のワンマンライブもありましたね。 HARUNAさん 自分たちにとって大阪城ホールは、すごく大切な場所なので、まずはそこでライブができて、お客さんと一緒に過ごせたっていうのが、一番のお祝いだったなあと思います。こういった状況なのもあって、みんなで集まってご飯とかはできなかったんですけど、ライブがとっても良い夜だったので、もうそれだけで充分でしたね。 MAMIさん コロナ禍になるまで、今まで当たり前に8月21日はみんなで集まって、13年間ずっと何かしらやってました。コロナ禍になってから結成日を迎えるのは2回目だったんですけど、ものすごく久しぶりに感じましたね。去年は配信ライブだったので、大阪城ホールっていう広い会場で有観客ライブをやらせてもらえて、すごく感動しました。1年で状況もちょっとずつ良くなって、「大阪城ホールで絶対にライブをやる!」っていうのを決めていたので、無事に実現できて良かったです。 ――1月26日発売の新アルバム『MIRROR』は、どういったコンセプトで制作されたんでしょうか。 HARUNAさん コロナ禍になってから、制作面で立ち止まってしまったり、つまずいてしまうこともあって、シングルの「eternal」を何とかリリースできたところから始まりました。そこから「アイボリー」「one more time」とシングルをリリースしてきましたが、そのちょっと立ち止まってしまったところから、心境の変化も感じられるかなと思っていて。この一年半の中で自分たちも、もがいたり苦しんだりしながら、でもその間に有観客ライブができたりして、「もう一回、ちゃんと音楽で楽しむっていうことをみんなで感じたい」っていう前向きな気持ちになれたこともあったので、そういう気持ちの流れを綴ってこられたアルバムに仕上がったなと思います。 MAMIさん コロナ禍の影響もあったし、ライブがあまりできなかったというのもあって、楽曲制作の方向をどこに向けていいのかわからなくて、個人的にはすごく苦労しました。完成した時も、もちろん達成感があって、完成してよかったなっていう気持ちもありつつ、この状況が続くなら、もっともがいて苦しんで作っていかなきゃいけないなと、また一つ気合を入れて、「気を引き締めていかなきゃ」って感情になりました。でもそのおかげで、自分たちの寿命を延ばすことができたというか。ライブとか誰かに向けてとかを考えずに、自分が本当に作りたいものって何なんだろうって向き合ってできた曲たちでもあるので、改めて新しい可能性を感じていて。それはそれで良かったなって、ポジティブな気持ちになれました。 ――今回のアルバムは、温かさや前向きな気持ちになる歌詞が多く感じました。コロナ禍など環境の変化が大きいと思いますが、どんな思いで制作されたんでしょうか? HARUNAさん 制作期間は、バンドや自分自身に向き合う時間が多かったですね。改めて、自分たちがどういう経緯で結成したバンドなのかとか、どういう強みがあるのかを考えたりして。15年走ってきて、ちょっと忘れかけていたことを思い出して、ちゃんと自分たちで向き合って肯定できたような気がします。 MAMIさん そう、なんか「肯定」っていう言葉がすごくぴったりだなと思います。できることがたくさんあることにも気付けましたね。バンドだから、何々しちゃいけないとか。SCANDALは、そういった固定概念にとらわれないことを大事にしているバンドで、そこに気付けたから作れた曲がアルバムに入っています。大きな愛を感じる曲がたくさんできたなぁと思います。 ――主にMAMIさんとRINAさんが作詞作曲をされていますが、今回のアルバムで思い入れのある曲はありますか? MAMIさん 二人で作った曲だと、「one more time」はめちゃくちゃ楽しく制作できました。最近、K-POPにハマっていて、メンタル的にも音楽的にも、コロナ禍のおうち時間で影響を受けたジャンルで、「K-POPをバンドでやったらどうなるんだろう?」ってアイデアから生まれた楽曲です。楽器も歌も自分たちでディレクションしながら、本当にやりたいように制作しました。元々、ダンス&ボーカルスクールで踊っていた人間でもあるので、今一度、その時の気持ちをって訳じゃないですけど(笑)、「なんか踊れる曲やりたいよね」っていうのがまずあって。ものすごく自然体で、ルーツの楽曲をもう一回やるみたいな感覚で、楽しく新鮮にできました。 ――「one more time」はMVがすごく可愛くて、頻繁に見て元気をもらっています!ちなみにK-POPはどのグループが好きですか? MAMIさん 最初はBTSから入りました。存在は知っていても、名前も顔も曲も知らなかったんですけど、「Dynamite」が爆発的にヒットして、ミュージシャンとして見逃せない存在になっていたので、音楽をやる人間として聴いてみようというところからですね。音楽はもちろん、動画を観たり、SNSをチェックしていくうちに、人としてもすごいなって思うようになりました。スタッフも事務所も彼ら自身も、お互いがメンタルケアをして、辛い状況でも弱音を吐かずに、自分たちのためでもあり、人のためでもあるような生活を送っていることにもすごく感動して。これを自分たちができたら最高だよなって。すごくBTSが好きになって、そこから今はいろんなK-POPを聴いてます。いろんなチームがいろんなジャンルのK-POPを打ち出していて、それを聴くのがすごく楽しいですね。 ――HARUNAさんの歌声はすごく力強いんですけど、透き通っていて綺麗なのが魅力だと思っているんですが、今回は歌い方がいつもと違って、キュートな印象を受ける曲もありました。 HARUNAさん これまでのアルバムだと、一曲一曲に寄り添って、ガラッと違う歌い方にしてみようとか、主人公ごとに違う声色を出したいな、みたいなことを考えながら歌っていたんです。今回は、アルバムを通してちゃんと一人の人間でいようということを心掛けていましたね。しゃべっている話し声みたいな、心の声を歌でも表現できればいいなって。 ――シングル曲の「アイボリー」は、MAMIさんがメインボーカルですが、シングル曲でメインボーカルを務めるのは初めてですか? MAMIさん 初めてですね。もちろん楽曲自体は、HARUNAが歌うことを前提に作っているんですけど、“曲の良さが伝わる声”を基準にボーカルを決めていったのもあって。「アイボリー」は、私がデモで歌っている時点でみんなが「MAMIちゃんがいいんじゃない?」「この曲の良さが一番伝わる声だね」って推薦してもらった楽曲です。 ――SCANDALの皆さんは、メンバー全員、作詞作曲ができるというのがとても強みだと思うのですが、楽曲はどのように出来上がるんでしょうか? MAMIさん 私は、結構メロディは何でも浮かぶんですけど、歌詞を考えるのが苦手なので、RINAちゃんにばっかり頼ってます(笑)。だから「アイボリー」とか、アルバムの中に入っている「愛にならなかったのさ」とか、僕がどっちも書いている曲は、歌詞がパッて思い浮かんだものですね。 ――「愛にならなかったのさ」は、サビの最後の「その恋はもう終わったのさ/愛にならなかったのさ」がすごい考えさせられる歌詞ですよね。 MAMIさん でも、メンズは共感しがたいみたいで。ちょっと傷つくみたい。一緒に作ってくれた、アレンジャーの宗本康兵さんは、その歌詞に対して怒ってました。「なんでなの!?なんでこんなこと思うの?」って。歌詞の感情の時点で、女性ってもう絶対にその男性には戻らないじゃないですか。そういうところが、メンズを傷つけてるっていう。 HARUNAさん 宗本さんは、「好きなんだったら一緒にいればいいじゃん」って。違う、そういうことじゃないの!みたいなやりとりもありましたね(笑)。 ――HARUNAさんはどうですか?メロディが先か、歌詞が先か。 HARUNAさん 曲にもよるんですけど、今回の「夕暮れ、溶ける」っていう曲に関しては、タイトルが先に思い浮かんで、その言葉が頭に浮かんだところから始まって、短いサビだけを最初に作って、そこから広げていきました。SCANDALの曲って、歌詞を読んで理解できるものが多いと思うんですけど、抽象的な言葉をあえて使っているのは、自分自身が言葉にできない感覚みたいなものを信じるタイプで、大事な局面でそういう直感を信じてきたなって思うので、そういうのもわりと大事なんじゃないかなぁと。今の時代、「風の時代」みたいなことを言われている時代だからこそ、こういう抽象的な言葉で、それぞれの感覚を信じてもらえたら、なんていう思いで書きました。 ――「her」を立ち上げる前と今で、意識が変わったことはありますか? HARUNAさん メンバー全員30代に突入したというのが、結構大きなことだと思っていて、すごく気持ちが楽です。「her」を立ち上げる前は、同じレーベルに10年いたんですけど。10代から20代を駆け抜けてきたので、一生懸命、目の前の出来事に向き合っていたな、走ってきたなぁって感じがするんですけど、「her」を立ち上げてからは、30代になってちゃんと大人の女性としてバンドに向き合えているなぁと思うので、この先、自分たちがまたどんな風に大人として変化していくのか楽しみにしながらバンドをしています。 MAMIさん 本当に自由にやらせてもらってるので、めちゃくちゃありがたいのと、すごい迷惑かけてるんだろうなぁと(笑)。10年一緒にやってきた前のレコード会社は、私たちと同じ気持ちで同じように成長して、年をとっているような感覚でした。ただ、一緒に作ってきたっていう感覚もありつつ、私たちはもう大人になっているんだけど、関係はその当時のままというか。一緒に年をとっているはずなのに、抜けきらない感覚みたいなものがあって。それも新しい環境に行ってみたいなと思ったきっかけの一つでもあったので、今のSCANDALの等身大でちゃんとバンドを扱ってくれているのも、うれしいなぁと思います。 ――15年経って、ファン層の変化についてはどんな風に感じていますか? HARUNAさん 一緒にみんな大人になっているなーっていう感じはしていて。「結婚、出産を経て、子どもが大きくなって落ち着いてきたから、また曲を聴き始めました」とか「ライブに来られるようになりました」みたいな同世代の子たちもいるので、一緒にそうやって変化していってるんだなぁって。 ――今回、久しぶりの海外ツアーですが、意気込みを教えてください。 MAMIさん やっと海外に行けるんだなって。2020年に予定していたツアーがダメになってしまった時に、「絶対また来られるようになる。信じて待ってるから」って、海外のファンのみなさんのエールをいっぱいもらって。その時のチケットをずっと持っていてくれている人たちがいるので、2年越しに「必ず行く!」っていう気持ちでいますけど、ちょっとどうなるかわからないのが本音です。海外のファンのみなさんにも支えられているバンドだと思うので、成功させたいなっていう気持ちが今一番大きいですね。 ――最後に、愛知県出身のお二人ですが、好きな地元のグルメを教えてください。 HARUNAさん 地元の名物で、「大口屋」の餡麩三喜羅っていう麩饅頭です。小さい頃からよく食べているお菓子で、今でも大好きすぎて愛知に戻ってきたら絶対に買って帰るし、親にも持ってきてもらったりするくらい大好きなんですけど、愛知県民でも知らない人が結構いるんじゃないかなと思って。名駅の新幹線乗り場の近くでも買えるので、すごいおいしいから食べてみてほしい。あと私、ラーメンが好きなんですけど、「スガキヤ」が食べ物の中で一番好きかもしれない。味が好きなんですよ。ソウルフードなんで、一番落ち着きますね。東京でも食べたいんだけどなくて。帰ってきたら、絶対スーパーのスガキヤに行きます。 MAMIさん 「コンパル」が好きですね。エビフライサンド一択だと思ってたんですけど、玉子サンドとかもめちゃくちゃおいしくて。最近は、他のサンドイッチにも浮気してます(笑)。あとは「李さんの唐揚げ」がめっちゃ好き。大須に行くと、唐揚げ食べて、タピオカ飲んで、昔ながらの揚げパン買って、牛乳にミルメーク入れて飲んだりしてました。あと「赤から」。お母さんが赤からのお鍋の出汁を送ってきてくれたりして、たまに家でもやります。店舗はあるんですけど、東京では売ってないんですよね。でもコメダもそうで、「東京のは名古屋と違う!」って思うんですよね。名古屋人の意地で、フィルターかかってるかもしれない(笑)。 ――最後に、ファンの皆様へメッセージをお願いします! MAMIさん まだ15年前の制服のSCANDALをイメージされている方って結構いて。今回のアルバムは、その時を動かせるようなアルバムになっていると思うので、「あ、まだやってたんだ」とか「もう制服じゃないんだ」とか、何でもいいので、SCANDALのことをちょっとでも思い出してもらえたら、ぜひ聴いてほしいアルバムだなぁと思うので、楽しみにしていて欲しいです! HARUNAさん 去年からツアーがまたできるようになってきて、改めて「ライブって最高だな」って。やっぱりステージに立ってる自分が好きだなって思ったし、バンドってめちゃくちゃ楽しいなぁって思っている日々ですね。今年もツアーを周って、ワクワクする日々がまたやってくると思うとすごくうれしくて、できるだけたくさんの人とそれを共有したいなぁという思いでいます。初めてライブにくる人たちも全然ウェルカムです。ホールライブなので、ゆったりした空間で楽しめると思いますし、『MIRROR』からSCANDALを知った人たちにも、ぜひ足を運んでほしいですね。 10th Album『MIRROR』 通常盤(CD)3300円 初回限定盤A(CD+DVD)4400円 初回限定盤B(CD+雑誌)4400円 完全生産限定盤(CD+DVD+GOODS)1万1000円 1月26日(水)より各ストリーミングサービス、ダウンロードサービスにて配信スタート <収録曲>※全形態CD共通 1. MIRROR 2. eternal 3. 愛にならなかったのさ 4. 彼女はWave 5. 愛の正体 6. アイボリー 7. 夕暮れ、溶ける 8. 蒼の鳴る夜の隙間で 9. プリズム 10. one more time bonus track 1. Living in the city 2. SPICE 予約特設サイト https://www.her-label.com/MIRROR/ SCANDAL WORLD TOUR 2022 “MIRROR” 国内公演 2022年3月12日(土)神奈川・厚木市文化会館・大ホール 2022年3月21日(月・祝)兵庫・神戸国際会館 こくさいホール 2022年3月26日(土)宮城・仙台市民ホール 2022年4月09日(土)福岡・福岡市民会館 2022年4月10日(日)広島・上野学園ホール 2022年4月17日(日)北海道・カナモトホール 2022年4月29日(金・祝)石川・金沢市文化ホール・大ホール 2022年4月30日(土)愛知・愛知芸術劇場 2022年6月07日(火)大阪・フェスティバルホール 2022年6月10日(金)東京・中野サンプラザ 2022年6月11日(土)東京・中野サンプラザ North America 2022.07.09 SAT. Queen Elizabeth Hall(Toronto) 2022.07.11 MON. Sony Hall(New York City) 2022.07.13 WED. Big Night Live(Boston) 2022.07.15 FRI. The Masquerade(Atlanta) 2022.07.16 SAT. House of Blues(Chicago) 2022.07.18 MON. The Imperial(Vancouver) 2022.07.20 WED. The Neptune(Seattle) 2022.07.22 FRI. House of Blues(Anaheim) 2022.07.26 TUE. Legacy Hall (Dallas) Europe 2022.09.22 BERLIN ‒ LIDO 2022.09.24 LONDON ‒ 02 Academy Islington 2022.09.27 PARIS ‒ Yoyo 公式サイト https://www.scandal-4.com/ Twitter https://twitter.com/scandal_band Instagram https://www.instagram.com/scandal_band_official/ Facebook https://www.facebook.com/scandalofficial tiktok https://www.tiktok.com/@scandal_band_official YouTube https://www.youtube.com/channel/UCSNX8VGaawLFG_bAZuMyQ3Q ※掲載内容は2022年1月時点の情報です ※価格は税込み表記です
【インタビュー】吉澤嘉代子さんが“青春”をテーマにした二部作の第二弾EP『六花(りっか)』をリリース!
2024年5月に、デビュー10周年を迎えるシンガーソングライター・吉澤嘉代子さん。2023年11月には、“青春”をテーマにした二部作の第一弾EP『若草』をリリースし、約3年振りとなる全国ツアーを完走しました。 本二部作を通して青春の“光と影” に着目し、『若草』では“光”を表現。 2024年3月20日(水)には、「青春の光の中にも隠れている“影”を表現したい」と、第二弾EP『六花(りっか)』をリリース! 全6曲が収録され、「涙の国」はドラマ『瓜を破る~一線を越えた、その先には』のエンディングテーマにもなっています。吉澤さんが実際に原作を読み込み、作品の世界観に寄り添って書き下ろされた新曲は聞き逃せません! 前作の『若草』とはどんな違いがあるのか、ホールツアーだけでなく、「10周年記念公演 まだまだ修行中。」も控えられている心境をお聞きしてきました! キーワードは「涙」。気持ちがあふれこぼれるときに生まれる青春 ――前作の『若草』に引き続き、今作でも“青春”をテーマにしているということで、どんな仕上がりになるのかとても楽しみにしていました!“影”を表現するために、意識されていたことは何かありますか。 前作の『若草』では、青春の“光”の部分を表現するために、きらめきを集めたような作品にしたいと考えていました。個人的に、特に出てきたキーワードは「風」だったなと感じています。 それに対して『六花』は、作り終えてみたら「涙」という言葉をよく使っていたことに、後から気付きました。だから、意識して書いていた訳ではないんです…!青春と涙って繋がっているというか。青春というのは、気持ちがあふれて、こぼれてしまう瞬間に生まれているのかなと。 ――1曲目の「みどりの月」は“エメラルドグリーンの~”と、“影”を連想させない、まるでキラキラがあふれてくるような歌詞に驚きました。こちらを1曲目に収録された理由を教えてください。 「みどりの月」は19歳の時に書いた曲で、初めて社会に触れた衝撃みたいなものを歌にしています。『若草』よりも、もう一段、もう二段上がった主人公像があったので、『六花』はそこから始めようと思い、この曲を1曲目に選びました。 ――19歳のときに作られたものが今、形になっているのですね。歌詞は当時書いたものをそのまま使用されているのですか? 「ちょっと稚拙すぎてこれは出せないな」という部分は手を入れて、マイナーチェンジしています。でも、やっぱり一度形になってしまったものって、修正するのは本当に難しいですね…。書いてから時間が経ってしまったというのもあって、今回の青春をテーマにしたEPには必ず入れたいと思ったので、「意地でも書き上げるぞ」という想いで頑張りました。 三浦透子さんと作り出す、儚くも混じり合う2つの声 ――2曲目の「すずらん」には、ゲストボーカルで三浦透子さんが参加されていますね。なぜ今回、三浦さんにゲストボーカルをお願いされたのでしょうか。お二人の関係性を知りたいです。 主題歌を歌わせていただいたドラマ『架空OL日記』に、三浦透子さんが出演されていたのが始まりです。そのときは俳優として気になっていたのですが、三浦さんのYouTubeを拝見したときに、初めてこんなにも綺麗な声で歌われる方なんだと知りました。「すずらん」では、どっちが歌っているのか分からない、混じり合う歌声を表現したかったので、三浦さんとご一緒したら、素敵なものに仕上がりそうだなと想像が膨らみ、お願いすることにしました。 ――歌詞に“あなたこそ”という言葉が入っていますが、こちらはお互いのことを想い合って歌われているのでしょうか? 歌詞を書いていたときは、全くそうは思っていませんでした。ですが、2人で歌う妙というか、結果、互いに想い合っているような感じになって、それはそれでとっても素敵になったなと感じています。 ――ミステリアスな役を演じられることが多い三浦さんですが、レコーディングはどんな雰囲気で行われたのでしょうか。 レコーディングに立ち合わせていただきましたが、素の三浦さんは颯爽としていて、本当に素敵な方でした。この曲はコーラスがとても多い曲で、私もレコーディングに何時間もかかってしまったのですが、三浦さんは事前にコーラスの旋律をくださいと言ってくださって。量が多すぎて参考にならないのでは…と思いつつ、お送りしたら、セリフを覚えるみたいに、全部体に入れてきてくださったんです。私よりもはるかに早い時間でレコーディングを終えられて、役者さんってやっぱりすごいなと、改めて感じました。かっこよかったです。 作品の世界観に寄り添って、書き下ろされた新曲 ――3曲目の「涙の国」は、すでにライブでも披露されていますね!ドラマ『瓜を破る~一線を越えた、その先には』のエンディングテーマで、吉澤さん自身も原作のトリコになっていたようですが、その熱い想いを特に込めているフレーズがあれば教えてください。 原作は、エンディングを担当させていただくことが決まってから読みました。日常の中にいるキャラクターたちが、傍から見たら「そこまで悩まなくてもいいんじゃない?」と思うような悩みでも、周りに言い出せず、自分なりに抱え込んでいる姿が印象的で。それを具体的な言葉で表現すると、誰かの物語になってしまいそうだったので、はっきりした表現を使わずに、包みこむような言葉選びを心がけていました。なので、やっぱり“光が差すたびに色が変わる ここは不思議ね涙の国よ”を選びます。ここから歌詞を書き始めたのも理由の一つです。 登場人物たちが、自分の気持ちを初めて他人に打ち明けるときに、涙も一緒にあふれている姿が目に焼き付いて。当然なんですけど、何に対しての涙なのか、誰と一緒にいるときの涙なのかで、涙の意味って変わってくるなと感じました。それを教えてくれるのは、相手=あなたなんだということを書きたいなと。 ――先ほど、このフレーズを最初に作られたとお聞きしましたが、実際に音楽作りをするときは、どこのフレーズから思いつくことが多いのでしょうか? はじめに思いつくのはタイトルです。自分の中から出てくる物語にしろ、何かの作品を彩る曲にしろ、まずはタイトルが決まらないと書き出せません。自分の胸を射抜く、きゅんとする言葉がモチベーションになって、最後まで書き切らせてくれるんです。 当時の想いを形にしたものから、お気に入り曲のセルフカバーまで収録 ――4曲目の「オートバイ」は、家族に内緒で家を抜け出す曲ということで、6曲の中で、歌声に一番力強さを感じました。歌い方のこだわりは何かありますか? この歌い方は自分でも初めてしたなと思っていたので、気付いてもらえてうれしいです。中性的な表現というか、少年にも少女にもなれるような、そんな歌声を目指しました。わりと自分の歌声だと、少女性が強く出ている楽曲が多いなと思っていましたが、「オートバイ」では、聞く人に主人公の姿をいろいろ想像してもらいたいです。 ――5曲目の「魔法はまだ」では、YUKIさんの楽曲をセルフカバーされていますね。“影”というコンセプトがある中、他の方が作った曲を収録しているところが気になりました。この曲をカバーされることに決めた理由を教えてください。 「魔法はまだ」は、作詞がYUKIさんなので、私には書けない歌詞がこの歌には詰まっています。私自身もとてもお気に入りの曲で、いつかセルフカバーしたいという気持ちがありました。YUKIさんがライナーノーツで、「女子高校生同士の恋の物語です」と書かれていたのを見て、甘酸っぱさを感じ、青春をテーマにした今作にはぴったりなのではと思いました。報われない感じもあって、切なさも含まれているところが、“影”っぽいなと感じています ――6曲目の「ゆとり」は、学生時代の終わりに書いたと拝見し、昨年まで大学生活を送っていた自分のことを思い出してしまいました。しっとりとしたメロディーの中にも、“陽だまり”や“居眠り”といった心がポカポカになるような歌詞が隠れていて、まさに卒業ソングでした!これを最後に持ってきた理由を教えてください。 今回、「青春」を出会いと別れに分けて、“光と影”として描きたいと考えていました。「ゆとり」は、大学を卒業した後に書いた曲だったので、二部作の締めくくりには持ってこいだなと。大学時代はレポートも多いし、ライブもあり、曲の締め切りに追われと、大変な思いもたくさんしましたが、喉元過ぎればキラキラフィルターがかかって、今では美しい記憶として残っています。 ――卒業ソングと言いつつも、実際に歌詞を見ると寂しさを感じる歌詞は一切なく、そこが吉澤さんらしいですね。 “光と影”と言いつつも、光を書けば書くほど、影の部分も見えてくるし、影の中にも光を見出すことができるのだなと感じました。 初回限定盤 通常盤 ――今回のEPは全体を通して、一つひとつのメッセージ性が強く、聞いた側が想像を膨らますことができる曲が多いと感じました。ジャケットのような、冬の冷たい空気感を感じるような歌詞もあり、曲を作るときはどんなものからインスパイアを受けているのか気になります。 いつ聞いてもその人の人生に寄り添えるような曲にしたいと思い、普段は季節感を出さないように曲を書いています。でも今回は、空気の冷たさや、これから来る春の芽吹きみたいなものをふんだんに入れたいと考えていたので、あえて春の季語を取り入れてました。なので、汲み取っていただけてうれしいです。でも実際に作っているときは、夏や秋なので、全然冬の情景は想像がつかなくて。そういうところは想像で補う必要があるので、小説や映画、友達の話から刺激を受けて作ることが多いです。 吉澤さんのベスト“名古屋めし”は…? ――2024年4月からは「吉澤嘉代子 Hall Tour ” 六花”」が始まりますね。前回の「吉澤嘉代子 Live house tour “若草”」は、名古屋でのライブも久しぶりだったとのことで、ファンの方のリアクションはいかがでしたか。 名古屋でライブをするのは本当に久しぶりだったので、始まる前から絶対に盛り上がる予感がしていました。ですが、予想以上に皆さんも熱くなってくださって、やっぱり名古屋では熱いライブができたなと思います。すごく楽しかったです! ――“名古屋めし”は堪能されましたか?お気に入りはありますか? あります…!隙を見つけては、ひつまぶしを食べに行ってます(笑)。キャンペーンやリリースイベントで名古屋に行くときはもちろん、前回のライブのときは、朝早くに食べに行ってから、ライブに望んでいました。今日も実は、昨日から前乗りして堪能してきました!もしかしたら、名古屋の方より食べているかもしれません(笑) ――どこのひつまぶしがおいしかったですか? どこも東京にはない味で選び難いですが、やっぱり「あつた蓬莱軒」がおいしい…! ホールツアーと10周年記念ライブについて ――「吉澤嘉代子 Hall Tour ” 六花”」への意気込みをお願いします。 前回の『若草』では、同世代のミュージシャンと一緒に久しぶりにライブハウスを回れたので、それはそれはとても楽しかったのですが、『六花』ではまた違ったとっても素敵なミュージシャンをお呼びしています。編成もドラムレスで、音楽的にはしっとりした雰囲気が作れると思っています。 ――ドラムレス! 「吉澤嘉代子 Live house tour “若草”」に行った方も必見のライブですね。 ユーフォニアムやサックスなどの管楽器も入ってくるので、大人っぽいムードになるのではと、私自身もとても楽しみです! ――このホールツアーの後には、10周年記念公演を控えられていますが、こちらも編成など、すでに考えられていることはありますか。 どのライブも全部セットリストが違うので、構成を考えていたときに、どの曲を入れようか選べるぐらい、たくさんの曲を書いてきて良かったなと感じました。10周年では、“まだまだ魔女修行中。”というタイトルを付けて、初心に帰るというか、歌で10年やってこられたのは、本当に奇跡だなと。その感謝の気持ちを伝えられたらいいなと思います。一夜限りなので、お祭り騒ぎになりそうです。 EP『六花』 通常版(CD)2750円 01 みどりの月 02 すずらん 03 涙の国 04 オートバイ 05 魔法はまだ 06 ゆとり 「吉澤嘉代子 Hall Tour ” 六花”」 2024年4月18日(木)名古屋公演 会場名古屋市公会堂 開場18:30/開演19:00 2024年4月19日(金)大阪公演 2024年4月21日(日)東京公演 「吉澤嘉代子10周年記念公演 まだまだ魔女修行中。」 2024年5月14日(火) LINE CUBE SHIBUYA 開場18:00/開演19:00 公式サイト https://www.yoshizawakayoko.jp/ ※掲載内容は2024年3月時点の情報です
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